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黒沢 仁 埼玉県秩父市


2023. 5 設置

私は、東京都内に勤めるサラリーマンです。

自宅は、さいたま市にありますが、数年前、秩父市の山間部に中古住宅(以下、「我

家」)を購入して、定年後の田舎暮らしの準備を始めました。

週末はほとんど秩父市に滞在し、目下、DIYリフォームの真っ最中です。


■エコロンの実力

エコロン設置から3カ月ほど経ちました。皆さんがおっしゃるように、「すごい実力です」と言いたいところなのですが、汚水はまだ数センチしか溜まっておらず、実際に微生物が消化をしてくれる様子は実感できていません。設置直後から、毎週、蓋を開けては汚水が増えたのを見てワクワクするという不思議な習慣が生まれました。

また、システムや管路の周りを通るたびに鼻をクンクンさせるのですが、臭いについては今のところまったく気にはなりません。

というわけで、システムの実力面については観察を続けることにして、ここでは設置しただけで既に発揮された効果や、設置にあたり感じたことを紹介します。


■トイレの水洗化

我が家のトイレはボットン式でしたが、購入後、間もなく床板を張り替えてコンポストトイレ(※)を作りました。臭いが全くなく、数カ月に一度交換する腐葉土は畑の良い肥料になるという優れものです。しかし、「おまる」のような形状のせいか、かみさんと娘は「してはいけない所でするようで嫌だ」などと言って、まったく使ってくれませんでした。カミさんは買い物と称して近所のスーパーへ、娘はわざわざスコップを担いで林の奥へといった具合です

エコロン設置後、さっそく水洗便器を取り付けました。結果、かみさんにも娘にも大好評。友達にもトイレの使い方(コンポスト式はウンコとオシッコの分離やトイレットペーパーの別回収などが必要)を説明しなくてもよくなりました。かみさんも「これで友達が呼べる」と言っていますし、日帰りしかしてくれなかったお袋もきっと泊ってくれると思います。これで、トイレにまつわるストレスをすべて水に流すことができました。


■サワガニとホタル

我が家の台所や風呂の排水は汚水桝を通って裏の沢へ直行、いわゆる垂れ流しでした。もちろん、油や洗剤は出来るだけ流さないように気を付けていますし、そもそも今は週末だけの利用なので、排水の質、量はきっと自然の浄化作用の範囲内です(と勝手に信じています)。しかし、この沢の先住民のサワガニやホタルに、ギトギトの油汚れの排水やシャンプーの泡などを浴びせ続けるのはどうにも忍びなく、何とか改善したいと考えていました。一般的には、合併浄化槽を導入するのでしょうが、自分は塩素たっぷりの処理水を流すのも結局生き物たちに住みにくい思いをさせることになるという気がして踏み切れずにいました。また、年中無休でブロアやモーターを回し続けるための電気もできればカットしたいと考えていました。エコロンは薬品も電気も使わず、排水すらしません。金輪際、沢の生き物たちに嫌な思いをさせずに済むし、電気も消費しないのだと思うと、食器を洗っていても風呂に入っていても本当に安心できます。(実は、流し台の排水はまだ接続できていません、、、DIYがんばります)


■設置にあたり考えたこと、気付いたこと

(冨安さんには叱られる項目があるかもしれませんが、導入を検討する方の参考になれば。)

1 . 費用

設置費用は、合併浄化槽に比べるとかなり高いです。自治体によっては合併浄化槽には補助金が出ますから、その差は更に大きくなります。次項のランニングコストを計算に入れても、費用だけを比べれば合併浄化槽の方が有利だと思います。

2 . ランニングコスト

これは、エコロンに軍配が上がります。エコロンは、通常メインテナンスフリーでランニングコストは0円。合併浄化槽は、定期的な法定検査代、薬品代、余剰汚泥の汲み取り代、そして電気代がかかります。ブロアなどの駆動部分は故障修理の費用が掛かることもあり得ます。でも、全部を足しても設置費用との差をペイするには数十年かかるでしょうから、お金のことだけを考えればやっぱり合併浄化槽の方が受け入れやすいと思います。

3. 土地の広さと高低差

エコロン設置には結構な土地の広さが必要です。HPには4人家族用で10mほどと書いてありますが、これは8畳間であれば3部屋分に近い長さです。現場までユンボが入れる通路も必要ですし、作業スペースも考えるとどこにでも設置できるというわけではありません。また、家とエコロンの設置場所との高低差も考慮すべき事項です。汚水は高い所から低い所へ流れます。ですから、エコロンが家より高くなる所では設置は難しいと思います。これは合併浄化槽でも同じなのかも知れませんが、微生物に酸素を供給する都合で本体を深く埋められないエコロンではより影響が出やすいのではないかと思います。ともかく、まずは冨安さんに現地を下見してもらい、優しく(?)アドバイスを受けましょう。

4 . 土建屋さんの手配など

設置工事は、冨安さんの他に地元の土建屋さんにも入ってもらいます。経験のある土建屋さんが近くにある場合には紹介してもらえるそうですが、基本的には依頼主が探すとのこと。重機や人手や材料(大型の側溝やコンクリートなど)も冨安さんの指示するリストによってその土建屋さんに手配してもらいます。ちなみに、我が家の工程は、冨安さんと助っ人の杉本さん、土建屋さん2名、冷やかし程度の我々夫婦2名の計6名で2泊3日でした。


■まとめ

お金はかかったし、システムの実力もまだ自分では確かめられていません。また、これだけの実績があっても建築許可申請上はまだ認可されていないそうです。そんな状態ではありますが、エコロンを設置してもらい、今、とても清々しい気分です。

自分の理想とする田舎暮らしでは、自然との共生が一番の目標ですし、エネルギーの節約にも少しでも貢献したいと思っています。それらを家族や友人に不便を強いることなく、実現できるエコロンは本当に素晴らしいです。

導入を検討する際には、山梨の賀川さん宅で現物を見せていただいたり、富良野自然塾さんに話を聞いたりしました。冨安さんにも技術的な仕組みを根掘り葉掘り伺いました。


福井から助っ人に駆けつけてくれた杉本さん、地元千島建設の親方と息子さん、そしてうちのかみさん、皆さんのおかげで将来への貴重な投資ができたと思っています。

本当にありがとうございました。この取り組みが、更に広まると嬉しいと思っていますので、埼玉県近郊でエコロンの導入を検討される方は、どうぞ我が家へ「しごごち」を試しにいらしてください。







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